【遊戯王デッキ構築】罠型ゼンマイ
というほど罠が多くはない。
1.デッキコンセプトと構築
先週末に2021年7月からの制限改定が公開され、(禁止に逆戻りした十二獣ドランシアとかいうカードのことはまあ置いておいて)ゼンマイマジシャンが準制限→無制限になることが判明しました。
これで発条空母ゼンマイティ以外は全て制限解除された(某ハンデスするやつのことは知らん)わけですが、とはいうもののゼンマイティは制限のままで、ゼンマイティ制限でも展開自体は可能(出そうと思えば素材5枚のロンゴミアントくらいは立てられると思います)ではあるものの、
- マストカウンターが極めて容易
- 展開ルートの一つ(レベル3ゼンマイ+特殊召喚可能レベル3)が使えない
- ゼンマイティに召喚無効等を食らうと、その後の再展開手段に乏しい
といった理由でそのままではなかなか厳しいだろう、というのが正直な所感。
とはいっても言うほど強い盤面も作れない先攻展開に特化するためにパワーの低いレベル3モンスターをデッキに敷き詰めるのは得策ではない、そもそもゼンマイシャークが来日した当時もゼンマイティは制限だったので当時みたくビートダウンでの勝ちを狙える構築なら十分いけるはず、何なら今はリンク召喚等が追加されて当時より実質強化されている……といった諸々があり、
- 先攻1ターン目で展開することを諦め、デュエル中終盤の隙ができたタイミングで一気に展開する構築を目指す
- ゼンマイティを使わなくとも展開できるよう心掛ける
といったことを意識することにしました。
先攻展開を諦める、という方向に舵を取ると、それまで採用圏外だったカードが色々と浮上するわけで、たとえばゼンマイにも実はサポート魔法・罠があります。中にはあまりにも微妙な性能のものも多い一方、歴史に埋もれてしまったそこそこ有能なカードもあるわけで。
《螺旋式発条》
自分フィールド上の攻撃力1500以上の
「ゼンマイ」と名のついたモンスター1体をリリースして発動する。
手札から「ゼンマイ」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。
その後、この効果で特殊召喚したモンスターと同じ攻撃力を持つ
「ゼンマイ」と名のついたモンスター1体をデッキから特殊召喚できる。
同じ攻撃力、という条件が難しそうな印象を与えますが何も難しいことはない。《ゼンマイマジシャン》と《ゼンマイネズミ》は同じ攻撃力600、そのことさえ覚えておけば問題はない。つまりこのカードはマジシャンとネズミを場に並べるカードである。
効果未発動のマジシャンとネズミが場に並べばもうやりたい放題のビッグバンです。ゼンマイティを使わずとも十分展開できますし、ゼンマイティを使えばもっと酷いことになる。さらに言えばゼンマイティは攻撃力1500なので、効果を無効化されたゼンマイティを発動コストにあてがえば相手の妨害を乗り越えることができるし、エフェクト・ヴェーラーや無限泡影あたりが相手ならチェーン発動することでゼンマイティの効果も通すことができる。まあ例によってマイナーカードをちょっと強そうに見えるように書いているわけですが、それでもそれなりには有用なカードだと思います。
他にもゼンマイマジシャンは魔法使い族、つまり《神聖魔皇后セレーネ》の素材に慣れて且つセレーネで蘇生できる。セレーネ自体マジシャン+ゼンマイコンで簡単に作れますし、効果でマジシャンを蘇生すればさらに頭数を増やすことができる。先攻特化構築の場合、化石調査や緊急テレポートとかあるとはいえ3枚も魔法を使うことはまずなく、セレーネの使用も難しいわけですが、先攻展開にこだわらなければ、自分と相手合わせればその内魔法3枚貯まるよね、ということでこういうカードも視野に入ってくるわけです。
そんなこんなで、極端に展開に特化しない、螺旋式発条を使う、といったことから色々と考えて、こんな感じの構築になりました。
メインデッキ42枚
・ゼンマイシャーク×3
・ゼンマイマジシャン×3
・ゼンマイネズミ×2
・幻影騎士団サイレントブーツ×2
・幻影騎士団ダスティローブ×2
・幻影騎士団ティアースケイル×3
・彼岸の悪鬼スカラマリオン×2
・彼岸の悪鬼ガトルホッグ×1
・彼岸の悪鬼グラバースニッチ×1
・魔界発現世行きデスガイド×2
・増殖するG×2
・エフェクト・ヴェーラー×1
・灰流うらら×1
・死者蘇生×1
・増援×1
・ハーピィの羽根帚×1
・月の書×2
・コズミック・サイクロン×1
・墓穴の指名者×2
・抹殺の指名者×2
・螺旋式発条×3
・幻影翼×1
・幻影霧剣×3
エクストラデッキ15枚(以下各1枚)
・発条空母ゼンマイティ
・発条機雷ゼンマイン
・幻影騎士団ブレイクソード
・彼岸の旅人ダンテ
・ダーク・エクシーズ・リベリオン・ドラゴン
・ダイガスタ・エメラル
・No.60 刻不知のデュガレス
・発条補修ゼンマイコン
・彼岸の黒天使ケルビーニ
・I:P マスカレーナ
・幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ
・神聖魔皇后セレーネ
・アクセスコード・トーカー
・ヴァレルソード・ドラゴン
・ヴァレルエンド・ドラゴン
まだ構築して回してはいないので適当です。メインもエクストラも今後回していって抜いたり加えたり適正化していこうと思います。
2.各カードの役割
- ゼンマイシャーク×3、ゼンマイマジシャン×3、ゼンマイネズミ×2
主軸。ゼンマイシャーク、ゼンマイマジシャンがレベル3×2からゼンマイティを作ることで初動になれるのに対し、ゼンマイネズミ自身は初動になれないため枚数を抑えています。ただしネズミが2枚ないと特殊召喚されたレベル3×2から展開ができなくなるのと、螺旋式発条の関係上ネズミかマジシャン1枚を手札に確保しておく必要があるので2枚に。
- 幻影騎士団サイレントブーツ×2、幻影騎士団ダスティローブ×2、幻影騎士団ティアースケイル×3
ランク3を立てやすく、かつアドバンテージを損ねることなく展開できるということで幻影騎士団を採用。幻影霧剣を引っ張ってこれるのもデッキコンセプトと噛み合っていて○。ティアースケイル半端ないって。
- 彼岸の悪鬼スカラマリオン×2、彼岸の悪鬼ガトルホッグ×1、彼岸の悪鬼グラバースニッチ×1、魔界発現世行きデスガイド×2
幻影騎士団と同じくアドバンテージを失いづらい展開札として彼岸を採用。スカラマリオンからデスガイドをサーチできるのが強み。
- 増殖するG×2、エフェクト・ヴェーラー×1、灰流うらら×1
主に抹殺の指名者で除外する用の手札誘発。ゼンマイを引き込むためにGを気持ち多めに。大会とかを意識するならGとうららは3枚入れないといけないんですが、そもそも大会出るのであればゼンマイ要素抜いて幻影彼岸にした方が絶対強いので。ゼンマイは展開すればえげつないですがカード1枚のパワーはやはり低いので、ハンデスとか先攻1ターンキルとかピーキーなことをしないとむしろ環境に入り込めないのが実情なのかなという気がします。
- 死者蘇生×1、増援×1、ハーピィの羽根帚×1、月の書×2、コズミック・サイクロン×1
セレーネの効果を発動しやすくするために魔法は多めに。月の書は妨害にもヴェーラー等のケアにも使えますよね。
- 墓穴の指名者×2、抹殺の指名者×2
相手の手札誘発を封じて展開しやすくするのがメインですが、上記と同じくセレーネの効果を発動しやすくするために入れています。ただフリー対戦で使う分だと抹殺の指名者は機能しないかも。
- 螺旋式発条×3
3枚もいるか?????
- 幻影翼×1、幻影霧剣×3
罠兼幻影騎士団を展開する札として。霧剣は1枚減らしてもいいかも。
- 発条空母ゼンマイティ
展開札。基本温存する方向で。
- 発条機雷ゼンマイン
身も蓋もない言い方をすると螺旋式発条のコスト用。コスト要員として幻影&彼岸から作れるゼンマインを入れておくことで、メインのゼンマイの数を最小限に抑えられるというところはあります。
- 幻影騎士団ブレイクソード、彼岸の旅人ダンテ
彼岸や幻影の動きをする札。ブレイクソードは展開時の除去札としても使えるので。ダンテは本当に必要なのかどうか不明。
- ダーク・エクシーズ・リベリオン・ドラゴン
ブレイクソードから出せる他、展開時の打点要員としても使える。
- ダイガスタ・エメラル
マジシャン2体で作ってマジシャンを使い回す。
- No.60 刻不知のデュガレス
難しいこと考えなくてもヴァレルエンドの攻撃力倍にすれば大体勝てるのでは?
(ヴァレルエンドはモンスター効果の対象にできないのですが、デュガレスは対象に取らない効果なのでヴァレルエンドに適用できます)
そうでなくてもマジシャンを蘇生すれば1体分水増しはできるので、セレーネを使えないときとかに使えるかもしれないです。
- 発条補修ゼンマイコン
主軸。妨害を意識するなら2枚入れておいてもいいかも。
- 彼岸の黒天使ケルビーニ、幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ
最初に幻影や彼岸でケルビーニを出して、そこからラスティバルディッシュに繋げて……というのが初動。そうすれば墓地にティアースケイルやサイレントブーツの次の展開に繋げる用の幻影が貯まって、かつ妨害用の霧剣(とスカラマリオンが絡めば)デスガイドを持ってこれるので、相手を妨害しながら戦って、ある程度疲弊してきたらそれらを使ってゼンマイを展開、というのが基本的な動きです。
- I:P マスカレーナ
盤面を空けるための経由用のランク2。何でもいいと言えばいいのですが、高ランクの素材に使えば耐性を持たせられるということでマスカレーナにしてます。ラスティバルディッシュのことを考えると少なくとも闇属性が良さそう。
- 神聖魔皇后セレーネ
展開用。上記の通りマイコン+マジシャンから出せるのでかなり出しやすいと思います。
- アクセスコード・トーカー、ヴァレルソード・ドラゴン、ヴァレルエンド・ドラゴン
ゼンマイで展開して最終的に出すカード。アクセスコード・トーカーは打点も高いし除去もあるしでお前しか勝たん。ヴァレルソードは他のやつでもいいと思うしいらないかもしれない。ヴァレルエンドはセレーネを素材にできて且つ(その後の展開のために)盤面を2つ空けられるカードとして採用。ヴァレットがいないので(3)の効果は使えないのですが、耐性と全体攻撃が不通に強いのでそれだけで十分な気もする。
3.展開例
・展開① 手札に《ゼンマイマジシャン》+《ゼンマイシャーク》
※自分と相手の墓地を合わせて魔法カードが3枚以上あるとする
- マジシャン召喚、召喚成功時に手札のシャークをSS
- 場のマジシャン(Aとする)の効果でマジシャンBをデッキからSS
- 場のシャーク(Aとする)の効果発動、マジシャンBの効果でマジシャンCをSS
- マジシャンAとシャークAで《発条補修ゼンマイコン》をリンク召喚
- ゼンマイコンSS時効果でシャークBをサーチ、マジシャンC効果で《ゼンマイネズミ》(Aとする)をSS
- ゼンマイコン効果でネズミAを除外しネズミBをSS
- ゼンマイコンとマジシャンBで《神聖魔皇后セレーネ》をリンク召喚
- セレーネ効果でマジシャンAを墓地からSS、SS成功時に手札のシャークBをSS
- マジシャンAの効果でシャークCをSS
- 1マジシャンAとマジシャンCで《ダイガスタ・エメラル》をX召喚
- エメラル効果で(素材のマジシャンAを切って)マジシャンBとシャークAと他1枚を墓地からデッキに戻す
- ネズミBの効果でマジシャンAを墓地からSS
- ネズミB、セレーネ、エメラルで《ヴァレルエンド・ドラゴン》をリンク召喚
- シャークBの効果を発動、マジシャンAの効果でマジシャンBをSS
- シャークCの効果でシャークAをSS
- 残ったゼンマイで適当にリンク召喚なりX召喚なり
ゼンマイティなしでここまで展開できる。
・展開②《螺旋式発条》で《ゼンマイマジシャン》と《ゼンマイネズミ》を特殊召喚した場合
※自分と相手の墓地を合わせて魔法カードが3枚以上あるとする
※以下、螺旋式発条のコストとして《発条機雷ゼンマイン》を使ったとする
- 場のネズミ(Aとする)の効果で墓地のゼンマインをSS
- 場のマジシャン(Aとする)の効果でマジシャンBをSS
- マジシャンAとゼンマインでゼンマイコンをリンク召喚
- ゼンマイコンでシャークAをサーチ、マジシャンBの効果でマジシャンCをSS
- ゼンマイコン効果でネズミAを除外しネズミBをSS、マジシャンCの効果でシャークBをSS
- ゼンマイコンとマジシャンBでセレーネをリンク召喚
- セレーネ効果でマジシャンAをSS
- シャークBの効果発動、マジシャンAの効果でシャークCをSS
- マジシャンAとマジシャンCでエメラルをX召喚
- エメラル効果で(マジシャンAを切って)マジシャンAとマジシャンBと他1枚をデッキに戻す
- エメラルとセレーネとシャークBでヴァレルエンドをリンク召喚
- ネズミB効果でマジシャンCをSS、SS成功時にシャークAをSS、マジシャンC効果でマジシャンAをSS
- シャークAとマジシャンCで何かしらのランク4をX召喚
- シャークCの効果発動、マジシャンAの効果でマジシャンBをSS
- あとは適当にリンク召喚なりX召喚なり
・展開③ 特殊召喚できるレベル3モンスター2体(いつものゼンマイティを使うパターン)
※自分と相手の墓地を合わせて魔法カードが3枚以上あるとする
- レベル3×2で《発条空母》ゼンマイティをX召喚
- ゼンマイティ効果でマジシャンAをSS
- ゼンマイティとマジシャンAでゼンマイコンをリンク召喚
- ゼンマイコンでネズミAをサーチ、そのまま召喚
- ネズミA効果でマジシャンAを墓地からSS
- ゼンマイコン効果でネズミAを除外しネズミBをSS、マジシャンA効果でマジシャンBをSS
- マジシャンAとゼンマイコンでセレーネをリンク召喚
- セレーネ効果でマジシャンAを墓地からSS
- ネズミB効果でゼンマイティをSS、マジシャンA効果でシャークAをSS
- セレーネ、ゼンマイティ、ネズミBでヴァレルエンドをリンク召喚
- シャークA効果発動、マジシャンBでシャークBをSS
- あとは適当にX召喚なりリンク召喚なり
《ゼンマイウォリアー》その辺りを足せばもう少し展開できそうな気もしますが、わざわざネズミの枚数を絞っている上に、上述の通りヴァレルエンド+デュガレスでも十分致死級のダメージを叩き出せるので、こんなもんで十分かなあという気がします。
強いかどうかはともかくとして、久々に「人と戦える」ゼンマイデッキが作れたような気がします。大会に持っていくには弱い、フリー対戦で使うには一方的になってしまって楽しくない、が一番面白くなくて結局使わなくなってしまうので。
以上